全5回でお送りしている「経営事項審査(経審)」シリーズ。今回が4回目です。
前回は申請スケジュールと必要書類についてお話ししましたが、今回はいよいよ本丸、P点を上げるための実務対策について解説します。

【経営事項審査シリーズ 全5回】今回はこちら
第1回:経審とは?建設業者が公共工事に挑む第一歩
第2回:総合評定値(P点)の仕組みを徹底解説(X1・X2・Y・Z・W)
第3回:経審の申請スケジュールと必要書類
第4回:P点を上げるためにできること(実務対策編)
第5回:経審を受けたあとにすべきこと(入札参加資格申請まで)
今回のブログでは、P点を上げるために、建設業者が実際に取り組める対策を解説します。
次回は、経審を受けたあとにすべきこと(入札参加資格申請まで)について解説する予定です。
【P点アップ対策 今回のポイント】
POINT1: P点の各評点を項目ごとに対策するのが基本【結論】
POINT2: X1(完成工事高)は業種間振替で有利に申請できる場合がある
POINT3: Z(技術力)は技術者の資格取得・CCUSレベルアップで改善できる
POINT4: W(社会性等)は取り組み次第で比較的短期間に加点できる
<過去のブログはこちら>
【経営事項審査シリーズ】
◆経営事項審査とは?建設業者が公共工事に挑むための第一歩
◆経営事項審査の総合評定値(P点)とは?仕組みをわかりやすく解説
◆経営事項審査の申請スケジュールと必要書類|決算後の流れを徹底解説
【建設業許可を取る方法(基本編・応用編)】
◆建設業許可を取る方法(基本編)
◆経営業務管理責任者とは
◆公共工事に参入する方法
【経営事項審査のご依頼はこちら】
福岡で経審を依頼するならこちら|経営事項審査 申請代行オフィス福岡
【建設業許可のご依頼はこちら】
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X1(完成工事高評点)は、業種ごとの年間平均完成工事高をもとに算出されます。ここで使えるのが「業種間振替」という仕組みです。
建設工事は1つの工事が複数の業種にまたがることがあります。たとえば電気工事を伴う建築工事など、請け負った工事の工事代金を、一定のルールのもとで複数の業種に振り分けて計上することができます。
受注したい公共工事の業種に対して、完成工事高を最大限計上できるよう、どの業種にどう振り分けるかを事前に検討しておくことがX1アップのポイントです。

X2(経営規模評点)は、自己資本額と平均利益額から算出されます。これは決算書の数値に直結するため、短期間での急な改善は難しい項目です。
ただし、利益をしっかり計上する経営姿勢の継続、また役員報酬の設定や資本金の積み上げなど、税理士・公認会計士と連携しながら財務体質を整えることが、長期的なX2向上につながります。

Z(技術力評点)のウェイトはP点全体の25%と最大です。改善策として特に効果的なのが次の2つです。
①技術者の資格取得
1級施工管理技士・1級建築士などの上位資格を持つ技術者ほど、技術職員名簿上での評価点数が高くなります(最大6点)。資格取得を会社として積極的に支援する体制が、Z点の底上げに直結します。
②CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用
CCUSの能力評価でレベル3・レベル4の判定を受けた技能者も、技術職員数値に加点されます。CCUSへの登録・現場でのカードリーダー設置と合わせて推進することで、Z点とW点の両方に効いてきます。

W(社会性等評点)は、他の評点と違い、会社の取り組み次第で比較的短期間に改善しやすい項目が揃っています。主な加点ポイントは以下の通りです。
・若年技術者の雇用・育成(35歳未満の技術者の在籍)
・防災協定の締結(地方自治体や業界団体との協定)
・建設業経理士の配置(1級・2級)
・CCUSの現場導入状況(カードリーダー設置など)
・令和8年7月施行「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」への参加(新設の加点項目)

今回は、P点を上げるための実務対策について解説しました。
・X1(完成工事高)は業種間振替の活用で有利に申請できる場合がある
・X2(自己資本・利益額)は財務体質の継続的な改善が必要
・Z(技術力)は資格取得・CCUS活用が効果的
・W(社会性等)は取り組み次第で比較的短期間に加点できる項目が多い
P点アップは一朝一夕にはいきませんが、どの評点を、どういう順番で対策するかの計画を立てることが大切です。当事務所では、現状のP点診断から具体的な対策のご提案まで、サポートいたします。
次回(最終回)は、経審を受けたあとにすべきこと(入札参加資格申請まで)について解説していきます。
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